と表示できる耐火断熱性能を有する防火戸は、ISOの定める平均850°Cで60分の火炎テストをクリアした扉である。この温度はアルミ製レバーハンドルが加熱開始後6分で溶け落ちる温度である(個別認定)
残念ながら我が国のホテル、マンションの多くは避難通路への表示のみが一般的で、上記の表示は出来ない。高齢化が世界的に加速し、ホテル、マンションが大型化する現在、安全が保障されているとは言えない。我国に木製防火戸の文化を伝えたドイツでは、我々海外からの客を泊める部屋の入り回の扉の本国には赤いテープを貼り「防火戸を用いているため、安心してお泊り下さい」と表示しているケースが多い。スチールの防火戸ではなく全て本製で建築文化を形成している。
日建設計の設計による全日空成田ホテル(ANAクラウンプラザホテル)は平成元年にOPENしたが、筑波建築研究所でISOに基づく60分の火炎テストクリアを確認した上で、全400室にドイツで製造された本製防火戸が採用された。防災文化向上の大いなる一歩だつた。(朝日新聞平成元年6月8日全国版で報道)
その後、防火戸に対する法令に「木製であつてもISOの定める耐火テストにクリアすれば良し」と加えられた。そのため木製防火戸メーカーは全国で8社に急増し、実績欧米並みに追従すべく市場を拡大した、代表例を別添PDF-1>にて紹介する。
鉄製防火戸は市場を大きく減らし、多くは貸倉庫までをも埋めていつた。但し、平成6年に突如として起きたバブル経済崩壊により、建築費が1/3に激減したため、木製防火戸は高価と言う理由だけで再び、スチール製防火戸に逆流し、現在年間100万~150万本と推測される巨大市場を形成している。
我国は先進国家としては珍しく防火戸において、構造認定告示第1369号が適応されている。
その内容は「一般的火災において60分間の耐火性能を有する事、そのためには1,5mm以上の鉄板を用いて扉内部が鉄骨構造であれば良し」と定められテストを義務化していない。2004年都市火災研究で著名な東京大学菅原進一教授、(その後東京理科大教授)により構造認定により造られた大手メーカーの製品と、ISOの加熱基準のテストをクリアした個別認定品(桐製防火戸)との比較テストを東京大学内で行つた。その結果は別添PDF-2>の示す如くである。
「鉄は燃え無いものの熱に弱く、輻射熱により耐火性能はほとんどない」と教授は結論付け、その年日本で開催された著名な世界の工業大学の研究発表会場、イノベーションジャパン2004で、東京理科大学からこの結果を発表している。近年スチール製防火戸は本製に見せかけるため厚化粧となり、可燃物の多さから危険性は更に増幅している。
当研究所は国交書建築指導課に告示1369号の改定を迫つた「全て国交省の責任で現在に至っています」と耐火性の無い事実は認めている。・・・・。0。但し、この法律を改定する事は50数年以上の長きに渡り納入した鉄製防火戸の全取替を余儀なくされ、予算的に不可能である事も事実であり、政府もNHKを始めとするメディア、消費者団体も声を上げる事無くパンドラの 箱に入れている。
販売価格を鉄製防火戸と同等なまでに落とした桐主材防火戸ポローニアFP60の枠に用いられている耐火断熱塗料が、ドイツ生まれ、英国育ちのためテストクリアは瞬く間に伝わり、両国からの高い評価を受けている。(特徴を下記に示す)その最大の理由は三方枠とも桐を主材としてコストを落としテストをクリアさせた発想に対する評価である。木製防火戸が主流となつている欧米諸国においても枠はスチールでモルタルを内部に充填しているためのエールだった。桐のビス保持能力の強さも世界に実証した。
だけ建築家は木か鉄か?と問われると殆どが木を選ぶ。近年環境問題から都市に森林を創るとの発案で(株)日建設計はW350計画、即ち構造体から全て木材で
70階の超高層ビルの設計を進めている。
今回開発されたポローニアFP60も炭素固定型防火戸として上記思想と一致している、商品説明を下記にする。
令和元年6月 8日